こんにちは、カズヤんです。
ITコンサルタントに必要な資質として、
論理的思考力、クライアント業務理解、ITスキルとはよく言われます。
最近BPRに携わっていて、これって本当なんだなあとつくづく感じています。今回は、製造業の業務理解のために私が利用しているリソースを紹介したいと思います。私も学んでいる身ではありますが、先輩や知り合いのコンサルタントから聞いたテキストなので信頼できるものです。
目次:
1、製造業の業務
2、生産管理システムの情報
3、SAPのグローバル標準テンプレートの理解
4、最後に
1、製造業の業務
まずは、製造業ってどんなことしてるのかって本当にこの仕事をするまで意識したこともなくて、実際にプロジェクトに入ってみてみると、あまりに複雑で度肝を抜かれました。
「製造業」という言葉通り、ものを製造するのが業務の根幹となります。ただし、製造するためには調達したり、販売したりと製造のために必要となる機能を考慮しなければなりません。SAPのモジュールの中でも製造業の企業が用いるモジュールは、以下となります。
FI (Financial)・・・財務会計モジュール
お金が絡む箇所は基本FIモジュールが用いられます。製造関連の資材の調達や販売の場合はCOモジュールにて原価管理が行われます。簿記を学んだことのある方ならすぐわかると思いますが、SAPでは、この調達・製造・販売時に仕分けが切られて総勘定元帳に転記されるイメージです。製造業に限らず全業種の企業で用いられるモジュールです。
SD (Sales and Distribution)・・・販売・管理モジュール
製品を販売するときのプロセスをカバーするモジュールです。shippingなど貿易に関するビジネスフローも対象となります。SAPでロジスティックスといったらここのモジュールをさします。
MM (Material Management)・・・原材料管理モジュール
製品を生産する上で必要となる原材料や資材の調達をカバーするモジュールです。先述のSDよりもカバーの範囲が広いです。
PP (Product Planning)・・・製品計画モジュール
MRP(資材所要量計画)など、製造部門が行う生産計画・資材計画・生産の範囲をカバーしています。
WM (Werehouse Management)・・・倉庫管理モジュール
通常SAPでは、会社組織を
・クライアント
・会社コード
・プラント
・ストレージ
で分けているのですが、WMでは、ストレージの中もさらに細分化して、どこの倉庫にどの製品があるかを管理することができるモジュールとなっています。業界的にはこのWMモジュールの技術者の需要は高いですが、かなりマイナーモジュールのためメインでこのモジュールをやる人はあまりいないようです。
一応以下のソフテスのサイトも参照してもらえると理解しやすいと思います。
もちろん企業の規模によりもっとマイナーモジュールが用いられることもありますが、別の外部システムで代替されたりということもあるので、これぐらいかと思います。
2、生産管理システムの情報
SAPの製造業で利用されるモジュールを書きましたが、私は今SCM領域を担当しています。SAPのモジュールとしては、SD/MMが該当します。この領域を理解する上で以下の本がかなり役にたちました。
以下の本は、コンサルタントの先輩に紹介していただいた書籍で、生産管理システムを構築する上で理解する必用のあるあらゆる業務プロセスを包括的にカバーしてくれています。
生産管理に関しては、需要予測が大切なのですがその理由についても詳しく説明しているなど、いろんな事例をわかりやすく説明してくれています。
3、SAPのグローバル標準テンプレートの理解
また、基本的な業務プロセスを理解した後は、ITコンサルタントとして、SAP上でどのように実現するかを考えなければなりません。現行のSAP社のトレーニングではライセンスを購入しないとSAP Learning HUBにアクセスできないので(私は会社からアクセス権限もらってます)、以下のような公式テキストで学習する必要があります。そもそもSAP Basis出身ということもあり、SAPのテキストにはすでに触れていますが、やはり網羅性は完璧ですが、量が膨大で頭が痛くなります。
今からSAPコンサルタントを目指す方は基本的には入社前に認定コンサルタントを取得できるとは思わない方がいいです。システムを触れない以上自主学習でどうにかなる代物では無いですから...www
以下が、Material Managementのテキストです。
Materials Management with SAP ERP: Functionality and Technical Configuration
- 作者: M. Murray
- 出版社/メーカー: SAP Press
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: ハードカバー
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以下が、Sales & Distributionのテキストです。
Sales and Distribution With Sap: 100 Things You Should Know About...
- 作者: Matt Chudy,Luis Castedo
- 出版社/メーカー: Sap Pr America
- 発売日: 2012/03/31
- メディア: ペーパーバック
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一応、多くの企業がSAPを導入しているので、SAP内の標準ビジネスプロセスがグローバルの普遍的なビジネスプロセスとなるわけです。上の本を全部やれば大体の企業の業務プロセスがわかるというわけですww
4、最後に
恥ずかしながら、私もまだSAPの認定コンサルタント試験は取得していません。ただし、この仕事をやる以上はなるべく早く取得しないとアナリストとして心地悪いです。
記事内でも申し上げましたが、現在SAPのトレーニングはあまりオープンになっていないです(Udemyとか使えば安価でコースみれますが)。なので、個人で学習されている方々と今後も意見交換ができれば幸いです。
また、SAPのアプリ領域に触れていると、実際のビジネス領域についても興味が出てきています。製造・物流・小売業のご経験がある方なども今後は本ブログを見ていただいて、ご意見いただけるととても嬉しいです。恐縮ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
では、今日はここで失礼いたします。